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Blog 2017年10月
伊豆長岡『三養荘』
この建物は、旧岩崎久彌別邸として建てられた近代和風住宅であり、
京都の材料と職人を使った本格的な数寄屋建築です。
庭は名匠小川治兵衛の流れを汲む作庭がなされています。
ちなみに新館は村野藤吾設計の建物で、こちらも落ち着きのあるとても居心地のよい空間です。
登録有形文化財の申請に際し、実測と図面作成のお手伝いさせていただきましたが、
復元図面を描いていると、
「おっ!ここがこうなってるのか」とか、
「ここでこんなことさせようとしていたのか?」とか、
「ここでちょっと気持ち切り替えた感じだな」とか、
なんとなく設計した人の疑似体験をしているようで結構おもしろかったです。
特に、この建物は京間と江戸間が混在しているのですが、
それを意図的に使い分けしていたりと、いろんな発見もあって勉強になりました。
こういう建物は泊りでもしないとなかなかじっくり見れないけれど、
こんな見学会が企画されているようなのでご紹介します。
常葉大学土屋先生の解説付きです。
韮山反射炉や江川邸も見学するみたいです。
(伊達剛建築設計事務所) 2017年10月 8日 20:11
静岡県文化プログラム『ARTORO』 第1回目
静岡県文化プログラム2017『ARTORO』
10月1日(日)、第1回目の遺構発掘体験が終了。
遺跡の発掘って刷毛とかで丁寧に行うイメージがあったけど、
実際はスコップで掘り進めてしまうんですね。
発掘って意外と大胆。
もちろんきわどいところは丁寧にやるけど、
それ以外はほとんど重労働。
遺跡発掘というより住居そのものをつくっている感じ。
ざっくり掘るところと丁寧に掘るところ、
ぼくらは作業上道具を換えたりして掘ったけど、
昔の人も道具を使い分けたのかな?
たったこれだけのことでも、
竪穴式住居は実はもっといろんな工夫でつくられていたんじゃないのか・・・
と思ってしまう。
ところで、登呂遺跡の柱って角材が使われてるって知ってました?
丸太じゃないんですよ。
わざわざ角材に製材して使ってる。
こんなことも知ると、
さらに竪穴式住居はもっといろんな工夫でつくられていたんじゃないのか・・・
と思ってしまう。
それにしてもただ掘るって思ったよりも大変。
大変だからこそ、大変さを共有するからこそ、
自然と一体感が生まれてくる。
きっと昔の人も同じ。
こういうのがコミュニティの結束力につながるんだなぁ。
大変だからこそ、祝祭とかで喜びに変換する必要がある。
労働歌とか生まれる意味もなんとなくわかる。
どこかで大変さを喜びに変換しないとやってられないよね。
祭りとかはある意味変換作業で、
それが一緒に生きる活力になっていくんだろうね。
大変さだけでもダメだし、祭りだけでもダメ。
一連の流れがあってこそ成立するんだろうな。
おもしろいなぁ。
そういえば、岐阜の白川郷の茅葺きの葺き替え作業って、
かつては村人総出でおこなってたんだよね。
で、この共同で行う作業制度を「結(ゆい)」と呼んでいたそうだけど、
なるほど、「結」とはよく言ったものだ。
大変で単純な肉体労働は人と人を結びつけるものね。
今回の作業を通してものすごーく納得。
なんて、わかったようなこと書いてるけど、
実際の作業なんてほんのわずかしかしてないのです・・・スイマセン。
今回は時間に限りがあったので、
X軸Y軸の2方向の幅50㎝ほどを試掘しただけ。
気持ちは半円ぐらいは掘り出したいなんて思っていたけど、
とてもムリ。
でも、たったこれだけ掘っただけでも深さや全体の広さがわかります。
昔の住居(竪穴式住居)は、いわば今で言うワンルームなのだけど、
だいたい現代のリビングとほぼ同じくらいの広さなんだな・・・
ってのも体感としてわかった。
昔も今も身体的なスケール感って変わらないんだね。
他にも体感してわかったことがいろいろ・・・。
知識として知るんじゃなくて体感として知るって貴重。
頭と体をフルに使ったせいか、
翌朝は妙にすっきりした朝でした。
この企画、思った以上に心身ともに健康になれそう。
そして、思った以上におもしろいです。
ちょっと興味を持った人、
2回目以降の企画もまだまだ募集していますよー。
詳細・申込はこちら → http://artoro.jp/
(伊達剛建築設計事務所) 2017年10月 4日 09:05
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