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サザエの貝殻

仕事上できるだけモノの形には関心を寄せるようにしているのですが、

自然界にあるものの形には特に驚かされてしまうことが多いです。



ある人に見せられた2つの貝殻。

IMG_2696.jpg

突起のあるタイプとないタイプの2種類のサザエ。

突起のないタイプ(左)が瀬戸内海の穏やかな内海で獲れたもの。

突起のあるタイプ(右)が波の荒い外海で獲れたものだそうです。



驚くのは、内海で育ったサザエを外海に放つと、

突起物がぐぐっと伸びてきて外海で育ったタイプと同じような形になり、

外海で育ったサザエを内海に放つと、

突起物がだんだん小さくなり内海で育ったタイプと同じような形になるのだということ。

これは突起物の役目が、

波に流されないように岩肌にがっしり引っかかるようにするためだからであり、

波の状態によってサザエ自身がその形を変えているのだそうです。

おもしろい!



突起物をよーく見てみるとこんな感じです。

IMG_2697.jpg

突起物って、貝殻からにょきにょき生えてくるのではなく、

貝殻の表面のひだ状のものがクルッとなってできているのがわかります。

つまり、表面が布のようになっていて、

それがたるむことで一部を隆起させて突起物を形作っているのです。

表面積を変化させることで突起物を作ったりなくしたり・・・。

今までこんなじっくりサザエの貝殻を見たことなかったので、

こんなメカニズムになっていたのかと、とても感心してしまいます。



環境によってその姿を変え、無駄のない動きで形を変化しようとするサザエの貝殻。

自然界のモノはすごく合理的で美しいです。

こんな貝殻でも、見習うことが多いですよね。

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