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伊豆長岡『三養荘』

今年、伊豆長岡にある旅館『三養荘』の本館がめでたく登録有形文化財となりました。

この建物は、旧岩崎久彌別邸として建てられた近代和風住宅であり、

京都の材料と職人を使った本格的な数寄屋建築です。

庭は名匠小川治兵衛の流れを汲む作庭がなされています。

ちなみに新館は村野藤吾設計の建物で、こちらも落ち着きのあるとても居心地のよい空間です。


登録有形文化財の申請に際し、実測と図面作成のお手伝いさせていただきましたが、

復元図面を描いていると、

「おっ!ここがこうなってるのか」とか、

「ここでこんなことさせようとしていたのか?」とか、

「ここでちょっと気持ち切り替えた感じだな」とか、

なんとなく設計した人の疑似体験をしているようで結構おもしろかったです。

特に、この建物は京間と江戸間が混在しているのですが、

それを意図的に使い分けしていたりと、いろんな発見もあって勉強になりました。


こういう建物は泊りでもしないとなかなかじっくり見れないけれど、

こんな見学会が企画されているようなのでご紹介します。

常葉大学土屋先生の解説付きです。

韮山反射炉や江川邸も見学するみたいです。


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静岡県文化プログラム『ARTORO』 第1回目

静岡県文化プログラム2017『ARTORO』

10月1日(日)、第1回目の遺構発掘体験が終了。

 


遺跡の発掘って刷毛とかで丁寧に行うイメージがあったけど、

実際はスコップで掘り進めてしまうんですね。

発掘って意外と大胆。

もちろんきわどいところは丁寧にやるけど、

それ以外はほとんど重労働。

遺跡発掘というより住居そのものをつくっている感じ。

ざっくり掘るところと丁寧に掘るところ、

ぼくらは作業上道具を換えたりして掘ったけど、

昔の人も道具を使い分けたのかな?

たったこれだけのことでも、

竪穴式住居は実はもっといろんな工夫でつくられていたんじゃないのか・・・

と思ってしまう。

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ところで、登呂遺跡の柱って角材が使われてるって知ってました?

丸太じゃないんですよ。

わざわざ角材に製材して使ってる。

こんなことも知ると、

さらに竪穴式住居はもっといろんな工夫でつくられていたんじゃないのか・・・

と思ってしまう。

それにしてもただ掘るって思ったよりも大変。

大変だからこそ、大変さを共有するからこそ、

自然と一体感が生まれてくる。

きっと昔の人も同じ。

こういうのがコミュニティの結束力につながるんだなぁ。

大変だからこそ、祝祭とかで喜びに変換する必要がある。

労働歌とか生まれる意味もなんとなくわかる。

どこかで大変さを喜びに変換しないとやってられないよね。

祭りとかはある意味変換作業で、

それが一緒に生きる活力になっていくんだろうね。

大変さだけでもダメだし、祭りだけでもダメ。

一連の流れがあってこそ成立するんだろうな。

おもしろいなぁ。

そういえば、岐阜の白川郷の茅葺きの葺き替え作業って、

かつては村人総出でおこなってたんだよね。

で、この共同で行う作業制度を「結(ゆい)」と呼んでいたそうだけど、

なるほど、「結」とはよく言ったものだ。

大変で単純な肉体労働は人と人を結びつけるものね。

今回の作業を通してものすごーく納得。

なんて、わかったようなこと書いてるけど、

実際の作業なんてほんのわずかしかしてないのです・・・スイマセン。

今回は時間に限りがあったので、

X軸Y軸の2方向の幅50㎝ほどを試掘しただけ。

気持ちは半円ぐらいは掘り出したいなんて思っていたけど、

とてもムリ。

でも、たったこれだけ掘っただけでも深さや全体の広さがわかります。

昔の住居(竪穴式住居)は、いわば今で言うワンルームなのだけど、

だいたい現代のリビングとほぼ同じくらいの広さなんだな・・・

ってのも体感としてわかった。

昔も今も身体的なスケール感って変わらないんだね。

他にも体感してわかったことがいろいろ・・・。

知識として知るんじゃなくて体感として知るって貴重。

頭と体をフルに使ったせいか、

翌朝は妙にすっきりした朝でした。

この企画、思った以上に心身ともに健康になれそう。

そして、思った以上におもしろいです。

ちょっと興味を持った人、

2回目以降の企画もまだまだ募集していますよー。

詳細・申込はこちら → http://artoro.jp/


一つ屋根で暮らす

仕事柄、「心地いい家」とは?ということはよく考える

最近よく聞く高気密高断熱とかではなくて

光とか風とか地形とか気候とか風土とか・・・

生きるというあたりまえのいろんな関係性から

もっと素直に

もっとシンプルに

もっとじっくり考えてみたいなぁ

もっと私たちのこの身体を軸に

私たちの住まいを創造してみたいなぁ

と思っていたら

こんな企画に関わる機会をいただきました



artoro 「一つ屋根で暮らす」



2020年にカタチにできるように

いろいろ学びながら確認しながら進んでいく予定です

とりあえず今年度の予定が発表されました

すごーくおもしろくて

すごーく貴重な経験になる予感

興味のある方、一緒にいかがです?



場所は静岡の登呂遺跡

弥生時代の代表的な遺構になります

住まいを考える上で

いろんなことをそぎおとして そぎおとして

原初的な思考で考えようとするなら

これほど適した場所を活用させていただけるなんて

またとない機会で

今からすごーく楽しみです



この話をいただいたころ

富士宮の RYU GALLERY さんから

来年の企画展「縄文DNA展」への参加の話をいただいた

まったく別の企画でまったくの偶然なのだが

弥生と縄文が同時にやって来て

これはきっと何かに導かれている気がしてならない・・・

『境界線から考える都市と建築』出版

『境界線から考える都市と建築』という本が

鹿島出版会から出版されました。

建築史家である三宅理一先生を筆頭に、

OBOGによる論考が多数掲載されております。

私も第1章の「保存をめぐる紛争と制度上の諸問題」

のところで執筆させていただきました。

是非、ご購入の上、ご一読ください。

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藤森照信展

金曜日に茨城県水戸市にある水戸芸術館へ行ってきました

目的は『藤森照信展 ―自然を生かした建築と路上観察―』

平日ということもあり、来客数も少なく建物外観も広々と感じます

IMG_8631.jpgのサムネイル画像



展示はすべて写真撮影OK

展示されてる椅子にも座ることができます

体感できる展示は楽しいです



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だれにでもわかるわくわくする建築物

こういう建物は見てるだけでも楽しいです


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建築のよさは形と素材であることを改めて実感

とても刺激になる展示でした



 

じわじわと

設計事務所に頼むのとハウスメーカーに頼むのと何が違うんだろうと思う人はたくさんいると思う

最近はハウスメーカーも自由設計をうたってたりするし

正直、そこにはっきりとした線を引くのは難しいのかもしれない

でも、たとえるなら個人料理店とファミレスのような違いなんじゃないかとも思う

どちらを選ぶかは、味と金額のバランス

そして、こだわり

ただそれなりに安く食べれればいいというだけならファミレスでも十分

でも、個人料理店の料理はどこかその店主のこだわりが隠されてる

設計事務所の家も同じで、よく見るとこだわりがたくさん隠されてる

それが何かはすぐにわからないかもしれないけど

そのこだわりが、生活しているとじわじわと感じられてくるんじゃないかと思う

そういうじわじわくるこだわりが癖になって

あー、この家に住んでよかったなぁという思いに変わるんだと思う

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先日
知人のオープンハウスを見学しながら、そんなことを思った

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