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Blog 6ページ目
AuthaGraph
小学校か中学校のとき、メルカトル図法やモルワイデ図法、正距方位図法なんてのを学んだ。
そして、世界地図は、面積や方位、距離すべてを一つの図で正確に表すことはできないと教えられた。
だから目的に合った世界地図を選択しなければならないと・・・。
そんなのは嘘だった。
この新しい世界地図 「AuthaGraph」 は、それらをすべてクリアしてしまっているのだ。
しかも、面積や距離や方位にゆがみがないから、
地図を無限につなげることもできる。
とてもおもしろい世界地図である。
この世界地図が今年の GOODDESIGN賞 の対象候補に挙げられていて、
ネットでもちょっと話題になっている。
これを考え出したのは鳴川肇さん。
大学時代の同じ研究室の先輩であり、いろいろお世話になった人である。
こんなすごい世界地図を考えた人と、
ほんの一時期でも一緒の時間を過ごせたことがすごくうれしい。
大賞採れることを願ってます!
(伊達剛建築設計事務所) 2016年10月 4日 02:52
コルドバのメスキータ
キリスト教とイスラム教が同居する珍しい建物がある。
この建物の広い内部には何本もの柱が立ち並んでおり、
赤と白の2重のアーチがさらに強い印象を与えている。
柱に使われている石はローマ時代の遺構も多く、
あるスペースではいろいろなデザインの石柱が混在している。
柱頭や柱脚のデザインだけでなく、
太さも違ったりする。
同じデザインの柱で構成されたスペースもあるが、
どちらが魅力ある空間かと言えば、
やっぱり混在している空間のほうが、
ずば抜けて魅力を増している。
一見同じようなデザインの柱に見えるが、
デザインや太さがよーく見ると違っているという程度が
実にいい味を出している。
この微妙な差異が奥行きに深みを与えている。
どうしても赤と白のアーチに目が行ってしまうが、
この空間の魅力には、
この微妙な差異が働いているのを、
今日手にした本の写真を見ながら気づかされた。
ちぇっ、むかーし観に行ったとき、
もっと気にして見ておけばよかった。。。
(伊達剛建築設計事務所) 2016年9月27日 22:36
モノと心
そばにあるだけで気持ちがいいとか、
そういう特殊な感情が流れる時があると思う。
特に工業製品ではなく手作りのモノにそういうことを感じる。
作っている人の思いが伝わるからなのか、
機能的な配慮がそう思わせるのか・・・、
理由はよくわからない。
よくわからないけれど、
できるだけそういうモノを使いたい。
そういうモノがひとつでも身近にあるだけで、
ほんの少し、心が豊かになっている気がする。
できれば家もそのひとつでありたいと思う。
(伊達剛建築設計事務所) 2016年9月20日 22:53
名古屋 八勝館
堀口捨己設計の『八勝館』。
名古屋にある1925年創業の高級料亭で、
1950年に堀口捨己により昭和天皇の御宿泊所として「御幸の間」が増築され、
その後、「残月」、「桜の間」、「菊の間」などが増築されている。
全体が迷路のように広がっていて、
廊下を歩いているだけでもいくつもの空間の変化があって面白い。
実際に見てみると、やっぱりいい。
最近、この時代の建物をたくさん見る機会が多い。
その中でも、この建物は落ち着いた空間でありながらも、
随所に遊びがあって、見どころがたくさんである。
庭も驚くほどきれいで、心地よい散策である。
庭園内には昭和初期に滋賀県甲賀郡より移築されたという400年ほど前の建物もあり、
内部に漂うゆったりした時間に、心洗われる感じである。
せっかく名古屋まで来たので、
レーモンド設計の神言神学院、谷口吉生設計の豊田市美術館にも行ってみた。
建築って、考えるのは苦痛だったりするけど、
見るのはやっぱり楽しいね。
(伊達剛建築設計事務所) 2016年9月13日 13:45
「三保松原学」文化講座
今年も9月24日からスタートします。
全12回ですが、参加可能な日だけの参加もOKです。
応募の締切は20日なので、まだまだ申込大丈夫です。
チラシに記載されたスケジュールとは少々の変更がありまして、
1回目の講座は東海大学の李銀姫先生(海洋科学)になります。
場所は予定通りの東海大学です。
東海大学ということで、1回目は一般聴講も可能となりました。
たくさんの方に話を聞いてもらえると嬉しいです。
お時間のある方、是非是非足を運び、三保の魅力を再確認してください。
ちなみに2回目も一般聴講可能です。
語部や伝統行事が少なくなってしまったり、
おじいちゃんやおばあちゃんから昔話や民話を聞いたりすることが減ってしまった現代において、
その土地の物語や過去からの知識知恵は、講座という形でしか次に渡せないのかもしれない。
だけど、どんな形であれ、「知る」というのは楽しいものです。
「知る」ともっと知りたくなります。
不思議が増えます。
謎が増えます。
そして「好き」になります。
いろいろなイベントで楽しくやるのもいいですが、
一緒に「知る」ことを楽しんでみませんか?
今日は富士山の頭が雲の上にちょっとだけ見えていました。
三保松原からは海抜10mからの富士山が見えます。
文化講座とは別で、11月5日にはシンポジウムも開催されます。
こちらも是非どうぞ。
(伊達剛建築設計事務所) 2016年9月10日 01:40
オートロック
(伊達剛建築設計事務所) 2016年8月16日 20:18
掛川市松ヶ丘
8月12日(金) 13:30 から
掛川の松ヶ丘にて、
常葉大学と静岡文化芸術大学の合同発表会を行います。
松ヶ丘というのは、
1856年に建てられた豪商屋敷で、
現在は掛川市の「松ヶ丘プロジェクト推進委員会」による
保存活用計画が進められている
景観と一体となった日本家屋が魅力の建物です。
今回、常葉大学と静岡文化芸術大学がそれぞれの前期の授業内で
この建物の保存活用の課題に取り組んできました。
授業は別々で進められてきましたが、
同じ素材の課題なので、
課題の発表は一緒に行いましょうということになり、
今回の合同発表となりました。
予定はざっくりですが、
13:30-14:40 学生発表(10名程度)
14:50-16:00 講評+ディスカッション
真夏の暑い中ですが、
興味のある方、お暇な方、ぜひぜひ足をお運びください。
観覧は自由です。
無料です。
いろいろな方に見に来ていただければと思います。
どうぞよろしくお願いします。
↓ 掛川市松ヶ丘 「松ヶ丘プロジェクト」
http://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/.../bunk.../matsugaoka.html
(伊達剛建築設計事務所) 2016年7月31日 23:11
サザエの貝殻
自然界にあるものの形には特に驚かされてしまうことが多いです。
ある人に見せられた2つの貝殻。
突起のあるタイプとないタイプの2種類のサザエ。
突起のないタイプ(左)が瀬戸内海の穏やかな内海で獲れたもの。
突起のあるタイプ(右)が波の荒い外海で獲れたものだそうです。
驚くのは、内海で育ったサザエを外海に放つと、
突起物がぐぐっと伸びてきて外海で育ったタイプと同じような形になり、
外海で育ったサザエを内海に放つと、
突起物がだんだん小さくなり内海で育ったタイプと同じような形になるのだということ。
これは突起物の役目が、
波に流されないように岩肌にがっしり引っかかるようにするためだからであり、
波の状態によってサザエ自身がその形を変えているのだそうです。
おもしろい!
突起物をよーく見てみるとこんな感じです。
突起物って、貝殻からにょきにょき生えてくるのではなく、
貝殻の表面のひだ状のものがクルッとなってできているのがわかります。
つまり、表面が布のようになっていて、
それがたるむことで一部を隆起させて突起物を形作っているのです。
表面積を変化させることで突起物を作ったりなくしたり・・・。
今までこんなじっくりサザエの貝殻を見たことなかったので、
こんなメカニズムになっていたのかと、とても感心してしまいます。
環境によってその姿を変え、無駄のない動きで形を変化しようとするサザエの貝殻。
自然界のモノはすごく合理的で美しいです。
こんな貝殻でも、見習うことが多いですよね。
(伊達剛建築設計事務所) 2016年7月30日 17:25
中間発表
自分が卒業制作をやったのがもう20年近く前、
あれからずいぶん時間は経ったけど、
それなりに覚えておりまして、
思い返せば、恥ずかしい作品だったなと・・・。
そんな自分のことは棚に上げ、
1人1人の発表にできるだけコメントをしていきます。
今年は30人近くいるため、
13:30から始まり、終わったのが18:00過ぎ。
かなりの長時間。
疲れますね、やっぱり。
きっと学生も疲れきったでしょう。
こちらもコメントをする以上、
しっかり耳を傾け、頭の中をフル回転させて対応するのですが、
これがそれなりに頭の体操になるのです。
学生に鍛えられている感じです。
僕にとってもいい刺激になりました。
(伊達剛建築設計事務所) 2016年7月16日 18:58
伊豆石採掘場跡
伊豆石は伊豆で採れる石の総称。
大きくは2種類あり、ひとつは硬質の安山岩系の石。
もうひとつが軟質の凝灰岩系の石。
安山岩系の石は真鶴や根府川、熱海あたりで採れ、凝灰岩系の石は松崎や西伊豆で採れるようです。
海外線沿いだけでなく、狩野川の河川沿いも運搬に便利で石丁場跡が多いです。
今回見させていただいたのは、狩野川沿いの凝灰岩系の伊豆石の採掘場跡。
青緑のざらざらした質感のとても肌触りの良い品のある感じの石の山。
そこに採掘場としての洞窟が口を開けていて、
足を踏み入れると、まるで探検家になった気分。
ひんやりとした空気が頬をなでていきます。
暗い闇の中をライトで照らすと、垂直に切り取られた壁があり、
神殿の中にいるような気分でもあります。
こういう場を見ると、
その素材に対しての魅力がぐっと増すような気がします。
(伊達剛建築設計事務所) 2016年7月10日 11:02