施工事例
D-house
お客様からの要望
「夫婦ともにバイクが好きなので、屋内でもバイクを置いて楽しめるスペースが欲しい」「星を眺めたりできる場所があるとうれしい」「子供と一緒に楽しめる家にしたい」ということを、最初の打合せで伺い、本計画はこれらを軸に進められました。
敷地は市の中心に位置し、近くには公園もあり生活のしやすい場所でもある一方、周辺にはマンションや店舗の多さから見知らぬ人に会うことも多く、また比較的高い建物によって季節・時間帯により日が陰ってしまうといったマイナス面を併せ持つ場所でもあったので、防犯と日照をどのように解決していくかという点もお客様の要望にありました。
要望箇所の抽出(整理)
- 夫婦+子供1人(将来2人)=3人(4人)家族
- バイクを眺められるようにする
- 星を眺める場
- 子供と一緒に楽しめる家
- 防犯対策
- 日照確保
提案内容
道路から東へやや奥に伸びるような長方形の敷地のため、日中できるだけ敷地奥まで光を取り込めるように、道路との反対側にも庭を配して明るさを確保できるようにし、プライベート性の高い庭をつくりました。
またリビングとその庭との視覚的な一体感が生まれるようにお互いの関係性に注意しながら設計しました。と同時に、リビングに隣接して設けた土間が、この家の軸となるように考えました。この土間は子供の遊び場であり、趣味のバイクの場であり、客をもてなす場であり、家の中を明るく照らす光の溜り場であり、各部屋をつなげる場であり、家族の気配がどこにいても伝わる場として存在しています。さらに土間の上部は吹抜けになっており、その吹抜けの高い所には星を眺めたり、一人そっと読書を楽しんだり、日常からちょっと離れた感覚になれるちいさなスペースをつくり、幾重にもいろんな空間が重なる感じの土間としました。
階段の手摺、吹抜の手摺には、椅子の座面で使われることの多いペーパーコードを巻き、触れたときのぬくもりと視覚的な温かさを演出させてみました。ペーパーコードが巻かれた手摺というのは、他ではあまり見られないと思います。各室の扉はすべて引戸となっており、普段は開け放して広く快適な空間となるようにしています。もちろん開け放しても部屋が使いづらくならないように、お互いの視線が不快にならないように注意しながら計画しました。大きな土間の吹抜けに面した2階の個室は、洞窟にいるような感覚になればおもしろいなとも思いながら計画しました。