施工事例: Makalii
お客様からの要望
自宅の庭にパン屋をつくりたい。そして、予算はかなり限られているということをまずお聞きしました。これ以外に特に大きな要望はなく、打合せを重ねながらいろいろなことが決められていきました。
この仕事は直接頂いたお話ではなく、施工会社を通じての依頼でしたが、私も施主も施工会社も、できるだけシンプルなもの、質感のあるもの、自然素材をベースに考えていくことを暗黙の共通ルールとして持っていたように思います。
要望箇所の抽出(整理)
- ちいさくてかわいく
- シンプルで力強く
- 使いやすくてあかるく
- 楽しくてあたたかく
提案内容
敷地の大きさ、予算から、つくることが可能な建物の大きさは決められていました。しかし、「つくる」「売る」のすべてを一人で対応しなければならないことを考えると、この広さがよかったかもしれません。結果的に建築面積5坪というちっちゃなパン屋さんが完成しましたが、5坪しかないので、室内は作業場のみ。売場は設けず、窓口で対応するという形式にしました。
自然のありのままの姿、やさしい雰囲気でありながらアクセントとなるようなものを使いたいと思い、扉の引手には流木を使用しました。この魔法使いの杖のように曲がった流木は、実際に海岸を歩き探してきたものです。また、室内の押し手となる部分にはお店の名前を入れたタイルをつくり貼り付け、触れることで毎日が楽しくなればいいなという願いを込めました。
建物の形も箱型にしてシンプルにしましたが、素材や質感、色使いなどに注意しながら、かわいらしく力強くあたたかい雰囲気になるようにしました。住宅側には、視線を遮るように枕木で目隠ししています。現在は残念ながら旦那様の転勤の都合により休業中。